屋久島おおぞら高校にて「ジビエ食育授業」を行いました。

先日、屋久島おおぞら高校にて「ジビエを通した食育授業」を行いました。
テーマは――『見つめなおす』。

私たちは毎日、当たり前のように食事をしています。
でもその一口の奥には、数えきれないほどの「イノチ」と、そのイノチを育んできた背景があります。


「食べる」を見つめなおす

授業のはじまりは、「食べるとはどういうことか」を考えることから。
「食べる」という行為は、生きることそのもの。
五感を使って食べることで、自分の感性を磨き直す時間を持ちました。

普段の食事でも、香りや音、舌触りや色合いを意識してみると、同じ食べ物でも全く違ったものに感じられます。
こうした気づきは、食を豊かにするだけでなく、自分の心の感度を育てることにもつながるのです。


「食肉文化」を見つめなおす

次にテーマにしたのは「食肉文化」。
ジビエと畜産肉の違いを知り、私たちが日常的に食べている肉がどのようにして育まれているのか、命をいただくとはどういう意味なのかを考える時間になりました。

ジビエは、野生動物の命をいただくもの。
畜産肉は、人の手によって育てられた命をいただくもの。
どちらも「イノチ」を背負った食材であることに変わりはありませんが、その背景や意味を知ることで、食に対する見方が変わります。

生徒たちは真剣な眼差しで、自分の中の答えを探すように耳を傾けてくれていました。


大切にしてほしい「感性」

授業の最後に伝えたのは、「自分の感性を信じること」の大切さです。

食に限らず、世の中にはたくさんの「正解らしきもの」が溢れています。
けれども、本当に大切なのは自分の感覚を信じ、自分自身で答えを選び取る力を持つこと。

食を通して命の重みをどう受け止めるのかも、一人ひとりの感性に委ねられています。
そしてその感性を信じられることが、これからの人生を生き抜く上で、最も大切な力になるはずです。


「イノチの恵みを戴きます」

授業の締めくくりとして、生徒たちに伝えた言葉があります。

皆がご飯を食べる時に、
その背景にある「イノチ」がどのように育まれ、
そしてその「イノチ」を戴くことの意味を、
ほんの少しでも思ってくれたら嬉しいです。

『イノチの恵みを戴きます』

これからも私たちは、ジビエを通して「食と命を見つめなおすきっかけ」を広げていきたいと考えています。